辻本誠
キャファのバイクの説明にはカラーオーダー可能とか、色は自由に選べます
と説明しております。しかし厳密にはなかなかご希望の色が塗れないことも
あります。先日、フレームの塗り替えをご希望のお客様と色の打ち合わせを
しておりました際、ご希望通りの色にならない場合があるという説明を致し
ましたところ、カラーオーダー可能という表示には問題があるのではないか
というご指摘をいただきました。言い方を変えますと《宣伝の不当表示に当
たる》という主旨のご指摘でした。
日頃あまり気にも止めずにおりましたが、括弧付きで(多少色が違って仕上
がる場合があります)と表示すべきかもしれません。
塗装というのは塗料、気温、湿度など様々な不確定要素によって色が変わっ
てしまいます。カラーサンプルがあってもなかなかその通りの色にならない
のが実状で、同じ色を塗る、という表現より、よく似た色を塗ると言い換え
た方が良いくらいです。
よくTREKのあの色、KLEINのこの色、BENZのあの色・・・と塗色のご指示
をいただくことがありますが、ほとんどの場合不可能です。これは塗料が違
うために同じ色には塗れないからです。似た色は塗れますが、出来上がって
みるとフレームの形状が違うこともあり、人によっては似てもにつかぬ色と
受け取られてしまいます。
最近の例では、ハワイで好成績を上げた大橋さん(バイクはiF9000V)は
当初KLEINのオレンジを希望されました。同じ色を岡山のお客様(バイクは
同じiF9000V)で使って成功していたので、この色は塗れると思いこんで
オーダーしました。所が出来上がってきた品物は全く色違い(と言いたくな
るほどサンプルと違う色)です。オレンジはオレンジなのですが、雰囲気が
まるで違います。
塗装屋さんは《オレンジを塗っているのだから色違いではありません》の一
点張りです。大会が間近に迫っていることもあり、大橋さんには《ええ色で
すね〜カッコええね〜》と何とか納得してもらいIRONMANが終わるまでそ
のまま乗っていただきました。IRONMANが終わって直ぐに塗り替えです。
結局剥離代込みの再塗装費用は全額キャファ負担となりました。
オーダーカラーだけではありません。キャファに展示しているバイク(キャ
ファの標準色です)、塗ったときによって色が違います。最近続けて黄色を
塗りましたが、同じ指定でもちょっと違う色で完成しました。同じよう
しょっちゅう塗っている赤(オレンジ系の)でも日によって違うのです。
ナショナル自転車でも同様のことがありました。現在は設備も新しくなり、
改善されているとは思いますが、私が在籍しておりました頃はフレームとフ
ロントフォークの色が少し違うこともありました。これは同じ塗料を使って
いるにもかかわらず、フレームとフォークで塗った日が違う(例えば月曜日
と火曜日など)時などに発生したトラブルです。
ある色を作る際に3色を混ぜて調色したとします。混ぜた量を正確に計量し
たとしても、別の塗料を使うといくら量を同じにしても違う色になってしま
うのです。顔料(染料)の色が違ったり、気温差、湿度などに左右されたり
します。
ご指摘通り、オーダーカラー(あるいはカラーオーダー)という表現から、
《ある程度ご希望に添うことが出来ます》に変えなければならないと反省し
ております。