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掲載日:1998.10.24

 Lance Armstrongはいかにして復活したか

Lanceと私たちとには違いがある。その違いは何であろうか?

最初、Lance Armstrongが癌との闘病後レースに復活したとき、それは、
計画通りのように見えた。 1998年シーズン初期のレースで力強さが見られ
たが、どういうわけか、3月のParis-Niceステージレースを放棄した。彼
のコーチであるChris Carmichaelによると、肉体的な問題でだけでなく、
意欲の低迷によるものであるらしい。「ヨーロッパのプロ選手は、普通2月
から10月までレースに参加する。ほとんどのレースはトレーニングであ
り、選択したレースだけを本気で戦う。しかし、Lanceはこの方法を取るこ
とはできなかった。癌に罹って以来、肉体的に回復力が落ち、精神的にはプ
レッシャーに弱くなっていたからだ。」とCarmichaelは言う。

再び頂点を目指すには何をすれば良いのか?それは、楽しむこと、これにつ
きる。 CarmichaelとArmstrongは、大胆にもこれまでにない計画を立て
た。「Armstrongはアメリカを基盤とし、ヨーロッパにはレースを選択し
て行く。精神的にフレッシュな状態でいれば、体もそれについてくる。」

ここから私たちは何を学べるのか?それは、毎週、毎週自らをハードに追い
込むことは間違っているということである。今自分がしていることを楽しま
なければならないのだ。では、アメリカの伝説的人物であるArmstrongの
初期シーズンのプログラムを次に示す。スケジュール自体を一般人がこなす
のは無理であろうが、ここから貴重なメッセージを読み取ることができる。
それは、シーズンを時期に分け、その時期に応じて異なったスキルを磨くと
いうことだ。

この方法はLanceに効果があったか? もちろん。スランプから立ち直り、
シーズン半ばのヨーロッパステージの2レースで勝利を収めることができた。
(読者向けの現実的なトレーニングプログラムは、54ページに示してある。)

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1.ベースコンディショニングと負荷トレーニング
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Armstrongは、ベースコンディショニングに長い期間を取る必要性があった。

「ゼロからのスタートであった。癌の化学療法、手術、リハビリの後なの
で、強度を非常に低くしても、 60分以上トレーニングを行うことはできな
かった。」とCarmichaelは言う。 Armstrongは、最大心拍数の65-75%
の低強度で、固定ギアを用い、スムーズなペダル回転の練習から開始した。
10月半ばから12月半ばまで12週間これを続けた。

<トレーニング>
■ 心拍数は、最高が最大心拍数の75%になるように、週に3、4回のバイク
ライドを行った。 Armstrongは無酸素運動は行わない。中程度の距離。

■ ウエイトトレーニング
(レッグプレス、レッグカール、レッグエクステンション、バックエクステ
ンション、クランチ)。

■ 日曜日には3〜4時間のグループライド。
強度、コースの地形は様々。レースのシュミレーション。 Carmichaelい
わく「トレーニングプログラムの初期であっても、肉体的、精神的にも週に
1度、全開で走ることは大切である。」

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2.有酸素ベースのトレーニング
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Armstrongは、長い距離を走ることに重点を置き、10週間かけて徐々に強
度を増した。12月半ばから2月までの10週間。

<トレーニング>
■上限が最大心拍数の80%での3〜5時間のバイクライド。

■週に2回のスピードトレーニング。
60分から(最大心拍数の75%〜80%)開始し、 2.5時間まで増加させる。
レースシュミレーションとしての日曜日のグループライド。

■筋持久力(下記参照)。
6週間で有酸素ベーストレーニングの仕上げを行う。

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3.筋持久力
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Armstrongが毎日乗る距離は長い状態のまま保ち、バイクによる負荷ト
レーニングを加え、ウエイトトレーニングで培った力をバイク向けのパワー
に活かせるようにする。継続期間は、2月から3月半ばまでの6週間。

<トレーニング>
■室内での強度の高い持久力インターバル。 Armstrongは、前輪を4〜6
インチ上げ、「クライムポジション」をシュミレーションした。これ自体で
は負荷はかからないが、身体を上りのポジションに持っていくことができ
る。大きなギアを使い、高い負荷をかけ、 50-55 rpmのケイデンスで行っ
た。強度を上げることが目的なので心拍数については心配しなくてよい。

■スプリントとして8〜10秒間。最初はゆっくりと大きなギアを回し始める
ことから始めて、最後はスプリント。

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4.乳酸閾値とVO2 Maxトレーニング
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Carmichaelは、 Armstrongに実際のバイクでのパワーを上げることを指
導した。これは、3月半ばから6週間。

<トレーニング>
最大心拍数の90%で、
1セッション15分でスタートし、40分まで増やしていく乳酸閾値インター
バルトレーニング

■VO2 Maxトレーニングは常に室内で行う。 1セットは、4分間運動し、3
分間のレスト。 3セット行い、セット間のレストは8分。ハードなトレーニ
ング。

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5.レース向けトレーニング
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Armstrongは、ヨーロッパの選手のように他のレースにトレーニングとし
て参加していないので、このトレーニングを、5月の4週間を使って行う。
これは、レース向けの調整となる。

<トレーニング>
■ヒルスプリントは、フレッシュな状態(トレーニングの初め)か、バイク
ライドの終わりの方にレース終盤の疲労状態のシュミレーションとして行
う。フレッシュな状態でのヒルスプリントは、最大の力で30秒間、傾斜の
強い坂を登り、完全に回復するまでレストを取る。トレーニングの終わりの
ヒルスプリントは、 20秒間行い、その間のレストは60-90秒に限定する。

■ピラミッドインターバル。 60秒から開始し、30秒ずつ加えて行き、 3分
間まで行う。それから逆に減らして行く。レストは、その直前の運動期間と
同じだけ取る。これは、室内でおよそ120 rpmで最大限の力で行う。ハー
トレートモニターは必要ない。

■車の後を走り、ペース取りしてもらい、ハードで一定の力を出してのサー
キット。 3時間行う。2マイルのサーキットで、 400〜500ヤードの傾斜の
きつい坂を含む。 Armstrongは、最初のサーキットを最大心拍数の80%
で行い、ラップごとに一分あたり5拍ずつ増やしていった。「Lanceはこの
トレーニングが大嫌いであったが非常に役に立った。」とCarmichaelは
言っている。

* Armstrongは、睾丸癌と闘病中、癌研究、癌の認識と早期発見に役立
てるために国際的な、非営利のボランティア期間を設立した。詳しい情報は、
LanceArmstrong Foundation, Box27483, Austin, TX 78755;
800/496-4402; 
www.laf.org.
まで

#辻本から/トライアスロン出身のサイクリストとして有名なLance
Armstrongが睾丸癌で入院したという話を聞いたのは3年前に宇都宮で行
われたワールドカップでの事でした。アメリカを代表する自転車選手として
活躍していたさなかだっただけに惜しむ声が多く、その時復活を予想した人
は殆どいなかったのではないかと思います。彼の復活は驚くべき事ですが、
そのトレーニングについてかなり詳しく説明してくれているこの記事が皆様
のトレーニングに役立てば幸いです。

翻訳していただいた杓谷さんに心から感謝します。


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