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SCRAP BOOK
ブレーキについて
ブレーキについて質問させていただきます。なお、以下の文章ではタイヤと
路面の関係や、天候の影響については考慮せずに記述させていただきました。
ブレーキは本来スピードコントローラーとしての役目を担っていますが、現
在のロードレーサーでは、つまりシマノ製品では、レバー形状や制動力の強
さに選択の余地がありません。力が強く、手が大きい男性も、非力で手が小
さい女性も、同じレバーを使用しています。また、大きな制動力が要求され
るアップダウンが激しいコースでも、微妙な駆け引きが要求される集団の
レースでも同じブレーキを使わざるを得ません。
これはなんとかならないのでしょうか?できればワイヤーを変えたり、
シューを変えたりして効き味をコントロールできれば、多少なりとも使いや
すくなると思うのですが、そのようなチューニングを施した例をあまり聞き
ません。また、手が小さく非力な女性にとっては、ブレーキを正しく操作す
ることが難しく、危険なこともあると思います。
私は昔モトクロスのレースをやっていて(国内A級でした)、ブレーキをい
ろいろとチューニングした事があります。レバー形状をメガネレンチで変え
たり、ブレーキオイルやホースやパッドを変える事で、かなり効き味や制動
力が変わったもんです。
自転車では、そのようなチューニングはできないのでしょうか?私の感覚で
は、シマノ純正はタッチが硬すぎてあまり好きになれないし、カーボンホ
イールにコリマのシューを使ったら、全くスポンジタッチで、思うだけの制
動力が得られません。余談ですが、中学生の時に欲しかったマファックのカ
ンティブレーキを最近手に入れて、シャレでMTBに付けた時は、昔はこん
なだったのかと驚きですらありました。(あんまり恐いので、Vブレーキに
変えたら、こんどは極端に効くのでびっくりしました。)
少しでも速く走ることはアスリートにとって至上の命題ですが(ちょっと大
げさですね)、安全・確実に、かつ思い通りに減速できるテクニックと道具
も自転車乗りには必須の課題です。
レバー形状が手にフィットした上で、握力に応じた制動力が得られるブレー
キってないのでしょうか? シマノさん、ハンドルとレバーの間隔やレバー
比がアジャストできて、硬軟のシューを使い分けられるようなブレーキシス
テムを作ってください。
クッっときた後で、グウーッと効いてくれるような、真綿で締め上げるタッ
チのブレーキを求めています。良いお知恵があれば御教授下さい。長文にて
失礼しました。
辻本から
ご承知の通り、シマノから発売されているブレーキ、ブレーキレバーは1種
類だけです。しかも最近のレバーはデュアルコントロールなので改造するの
が難しく、以前のようにブラケットを削ったり、あるいはレバーを曲げたり
は出来なくなってしまいました。
ということはブレーキに関係する他の部品、つまりブレーキシュー、ハンド
ルバー、リム、ハンドルテープを選択するときに、より自分にあった条件の
物を選ぶかにかかってきます。
◆ブレーキシュー
ご指摘の通り、CORIMAのブレーキシューはよくありません。しかもカーボ
ンリムメーカーはシマノのブレーキシューを使うことを前提に開発している
と思われるので、普通でないブレーキシューを使うと、リムを損ねてしまう
可能性も考えられます。海外ではアメリカを中心にいろんなブレーキシュー
が販売されていますが、シマノのブレーキシューよりよく効くものはそうな
いと思います。現状のシマノのブレーキシューでも効きすぎて怖いときがあ
るくらいなので、改善にはつながらないのではないでしょうか。またブレー
キシューのリムへ当たる面をリムにぴったり沿うようにカッターナイフで加
工すれば、少しよくなります。
◆ハンドルバー
以前にもお話ししたことがありますが、ハンドルバーにはいろんなデザイン
の物があります。ドロップハンドルでも普通の曲がり(NITTO 185 TYPE
等)のものや、エルゴ?、アナトミック?(ダウンポジションで握りやす
い)形状のデザインや、ブルホーンバー、キャファのトライバー等々・・
こうしたバーの中から、自分の握力や手の大きさに合わせて気持ちよくレ
バーが握れる物を捜せば、今より改善されるかもしれません。ニットウから
LADYSという呼称で、極端にリーチの短いバーが発売されていますが、レ
バーが遠くなって操作しにくくなることがあります。名前で選ばないように
してください。女性や子供の場合、バーの直径が22mm、19mmの物を選
ぶことも考慮すべきでしょう。(普通は直径23.8mm‾24.0mm)
◆リム
リムは材質、形状、表面処理などによって選択肢が多くなるので、注意が必
要です。
★材質
まず材質ですが、鉄とかステンレスを使う人はいないと思いますが、雨の日
にはまったく効きません。完成車メーカーがこれをブレーキですと言って
使っているのは信じがたいことです。当然アルミかカーボンを選ぶことにな
りますが、アルミの場合、ブレーキシューが当たる面の堅さによって効きは
変わります。柔らかい材質だとよく効きますが、固いリムの場合、効きにく
いこともあります。問題はカーボンリムです。素材がカーボンで、しかも成
型圧の高いリムの場合は問題ありませんが、圧が低いと、繊維の密度が低
く、樹脂分が多いため、長い下りでは制動力を確保できなくなってしまうこ
とがあります。またアルミと同様、構造的に横から締め付ける力を受け止め
る構造になっていない場合、リムが変形することで、ブレーキシューに加
わった力が逃げてしまいます。
★形状
最近のブレーキ本体を見ると、ブレーキシューはほぼ真横に動くので、リム
の側面(ブレーキシュー当たる面)は左右平行になっていなければなりませ
んが、アラヤのADX1、ADX4、ADX5などのように斜め、つまり<おむすび
>状になっていると、ブレーキシューを受け止めてくれません。しかも軽量
リムの多くは、スポークのテンションによって多かれ少なかれ変形している
ので、ブレーキシューの当たり面が歪になってしまい、ブレーキシューがリ
ムの表面で踊ってしまうと考えられます。雨の日にシューが踊るとほとんど
効かなくなってしまいます。当たり面を切削加工してあるものがベストで
しょう。
★表面処理
アルミリムの多くは表面にアルマイト処理をしていますが、この表皮が固い
ために新品の間は思うように制動力が得られないことがあります。とくに雨
降りでは顕著です。表面のアルマイト(スポーツ用では主に黒い色が多い)
を剥がしてから使えばかなりましになります。MAVICのようにセラミック
コーティングしてあればより高い制動力が得られると思います。
◆ハンドルテープ
手の小さい人が、クッションテープを使うと余計にレバーが遠くなります。
コットンの薄い物を選ぶようにしてください。これだけでもかなり条件はよ
くなります。
今後の開発
シマノはマウンテンバイクではブレーキの効き方をコントロールしようとし
て、いろんな試みをしていますが、試行錯誤を繰り返しているところのよう
です。そのうちロードでも考えてくれるでしょう。期待しながら待つしかな
いようです。
<クッっときた後で、グウーッと効いてくれるような、真綿で締め上げる
タッチのブレーキを求めています。>
誰しもがこう望んでいると思います。上記に説明させていただいたようなこ
とを、ひとつずつ解決してゆくしかないのではないでしょうか。
シューとカーボンリムの相性
辻本様、さっそくていねいな回答をいただき、ありがとうございます。
いただいた回答について1点質問させていただきます。
>ご指摘の通り、CORIMAのブレーキシューはよくありません。しかもカーボ
>ンリムメーカーはシマノのブレーキシューを使うことを前提に開発している
>と思われるので、普通でないブレーキシューを使うと、リムを損ねてしまう
>可能性も考えられます。
この部分なのですが、カーボンホイールにシマノのシューを使うと、シュー
が硬すぎて、リムを削ってしまう。コリマのシューが軟らかいのはシューが
削れることで、リムが削れてしまうのを防いでいる。と聞いたことがありま
す。真偽の程はいかがでしょう?
ちなみに私はフロントにZIPP、リヤには日石のディープリムを使用して
いますが、シューはシマノ純正の方が良いのでしょうか?
たびたびすみませんが、教えていただけますでしょうか。
辻本から
カーボンの繊維というのは非常に固い物ですから、柔らかいゴ
ムでこすったくらいで削れてしまうことはありません。しかもシマノのブ
レーキシューが固いという評価がどこから出てきたのか理解に苦しむところ
です。お使いになればわかりますが、ブレーキシューがどんどん減ってしま
うので、なくなってしまうのではないかと心配になるくらい柔らかい物で
す。問題は70‾80kgもの物体の運動エネルギーを何に変えるかです。ブ
レーキを掛けたときの摩擦によって生じるのは、熱エネルギーとブレーキ
シューを削る(アルミリムの場合はリムが削れる)運動エネルギーですが、
ブレーキシューが削れにくいと熱エネルギーに変換する割合が高くなり、リ
ムに悪い影響が出やすいと考えられます。特にZIPPはブレーキ当たり面に
グラスファイバー(ガラス繊維)を使用しているため熱伝導性が低く、熱が
たまりやすいので注意しなければなりません。長い下り坂でブレーキを掛
けっぱなしで走ると、リムの温度が上昇して、リムのブレーキ当たり面に凹
凸(炎天下の道路でアスファルトが隆起するのに似ています)が出来てしま
います。気温が低いとき、スピードが高いとき、時間が短いときは心配あり
ませんが、真夏日、急な下りのためにスピードを出せないとき、時間が長く
なるときにはニッセキの方のブレーキを多用するように心がけてください。
私はシマノのブレーキシューが一番良いと思いますが、いろいろお使いに
なってご自分で判断してください。