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掲載日: 1998.10.24

バイオ茶考  

バイオ茶について好奇心から成分分析と官能審査にもとずき考察らしきもの
を試みました。

成分名 測定値       目標値(お茶としての推薦値−静岡県)
水分  5.7% 2〜4%
全窒素 4.4% 5.5%以上
遊離アミノ酸 1.9% 3.0%以上
テアニン 0.8% 1.5%以上
繊維 24.5% 20.0%以下
タンニン 14.4%
カフェイン 2.4%
ビタミンC 0.35% 0.5%以上

水分含量はWB%(サンプル全体の水分割合)、それ以外はDRY%(サン
プル水分を0%としての成分含量表示)

成分名のおおまかな説明

水分・・水分含量が多くなると変質しやすくなります。仕上げ茶(皆さん
が良く買われるお茶)で2〜4%が適正です。

全窒素(T−N)・・緑茶成分のうち、遊離アミノ酸・タンパク質・カ
フェインなどに含まれる窒素の総量。官能審査結果と高い正の相関がありま
す。品評会上位入賞茶で約7%、下級茶で3%程度。

繊維(中性デタージェント繊維NDF)・・緑茶の細胞壁を作る成分で
す。上級茶の柔らかい芽(ミル芽)で12%程度、硬葉で35%程度です。

全遊離アミノ酸(TFAA)・・緑茶に含まれる主なアミノ酸は16種類
あります。この総計が全遊離アミノ酸として測定されます。面白いのはこの
各アミノ酸の構成比率の違いが日本茶(緑茶)の複雑なうまみの原因と現在
は考えられています。上級茶で7%、下級茶て゛1%程度です。この各アミ
ノ酸の中で最も多く含まれ緑茶のうまみの成分としてきわだつのが次のテア
ニンという成分です。したがってテアニンの含量は別に測定されます。

テアニン・・緑茶のうまみの主役です。玉露などに多く含まれます。上級
茶で約3%、下級茶で0.1%程度です。

タンニン・・渋味成分です。煎茶には8〜18%含まれます。多日照下で
は多くなります。そして二番茶より一番茶の方が少なくなります。最近よく
報道されている緑茶(日本茶)の効能(血圧上昇抑制・突然変異抑制・口臭
予防など)の中心的役割を果たしています。タンニンは単一の成分でなく、
緑茶ポリフェノールであるカテキン類の混合物です。

カフェイン・・苦み成分です。煎茶には1.5〜4%含まれています。番
茶や紅茶では少量です。カフェインはご存知のように中枢神経を興奮させる
作用があり、強心効果や利尿効果を示します。カフェイン含量を1%以下に
減らし、刺激性を弱めて、妊婦や子供向けに作られた低カフェイン茶もあり
ます。

ビタミンC・・緑茶には多くのビタミンCが含まれています。製造直後が
最も多く時間と共に減少しますので保健成分としても重要ですが鮮度の目安
としての物差しとして都合の良い指標となります。煎茶では0.2%〜0.
6%含まれています。ただビタミンCは発酵で壊れますのでウーロン茶では
少なく、紅茶では全く存在しません。

バイオ茶は、表示通り日本茶(緑茶)です。商品の性格上嗜好性飲料として
のお茶として評価するべきではありませんが、水分量の多さが気になりま
す。加工元の一層の研鑚を期待致します。それとバイオ茶は水出しを推薦し
ているようです。これは多分アミノ酸の溶出とタンニン(茶ポリフェノー
ル)、カフェインの不(少)溶出をねらっているものと思われます。いずれ
にしても機能性を狙った商品の割には誇大な誤解を招く能書がなく同じ業界
で生計を立てているものにとって救いです。それからキャファ通信の読者に
お願いがあります。もしバイオ茶を切らした時お茶屋さんに行ってあまり高
くないお茶を買い求めバイオ茶と同様に水出しでいれて、比較摂取してみて
下さい。皆様のご返事を楽しみに待っています。

余談ですが、半年ほど前から農水省の茶業試験場の方々のお知恵を拝借して
アスリートの鉄欠乏性貧血と茶の摂取の関係についてしらべています。まと
まればメール致しますが結論(らしきもの?)から申し上げますと普通の健
康状態の人なら食事中でもどんどんお茶を飲んで下さいとのことです。1日
10杯のお茶で救われます。なにやら宗教じみてきましたのでこの辺で。

辻本から

西さんは和歌山県でお茶に関係する仕事をされていらっしゃ
る、いわばお茶のプロです。キャファで販売しているバイオ茶を一袋さしあ
げて、調査していただきました。製造工程は企業秘密とされている「バイオ
茶」の実態に迫る興味深い内容です。

妻に西さんの記事を見せましたら、夏場になると飲む量が増えて(家族は6
人)家計を圧迫するので、普通の番茶で代用できるかも知れないと思い立
ち、すぐに試してみたけど、お茶になるまでえらく時間がかかるので、実際
問題としてバイオ茶の変わりに番茶を使うことは出来ませんでした。と一蹴
されてしまいました。

辻本さんの記事「妻に一蹴される・・・」について考察します。

この場合2つの?があります。

1、茶の葉の形状
バイオ茶は葉をこまかくカットしています。これはティーバッグ加工する場
合の機械の構造上の制約と、小さなティーバッグの袋の中で水分を吸って膨
張した茶葉から容易に成分を溶出するためです。水に触れる茶葉の表面積の
違いによる浸出時間の差の問題です。ただ少し葉の形状が大きくても同じ重
量の葉であれば約20〜30分ぐらいで茶の成分は出ます。

2、[番茶]という言葉
この言葉は私達も大変困らされている言葉です。大雑把な言い方をすれば番
茶は

  1. 一番茶や二番茶〈葉を摘む時期による等級です〉の仕上げ茶(細くきれ
    いに仕上げたお茶で煎茶として売られ ている茶)の加工中に選別された大
    きな型の葉
  2. 茶の葉が大きく成長してから(秋期)摘採して製造した大きな偏平した葉
  3. 1または2の葉をほうじ加工した葉
  4. 刈った生葉を蒸して天日干ししただけの葉
  5. 4をほうじ加工した葉
  6. 一番茶または二番茶摘採後、摘採面(ご存知のあの丸くきれいに加工さ
    れた茶の木の表面)を整枝するために刈られた葉を集め荒茶加工した葉

以上のようにざっと挙げただけで7種類の番茶が考えられます。この言葉の
使い分けは現在のように各地方の人達が異動等で国中入り乱れた状態さらに
テレビの情報でカオス状態になっています。専門家であるべきお茶屋さん自
身この言葉の使い分けはお客さんの顔色をうかがいながらということになり
ます。さらに産地と農家(70万軒ぐらい?)により天と地の品質差があり
ますが辻本さんはどの番茶を使われたでしょうか。文面を見る限り2の番茶
を使われたと思うのですが。6または6の合組み(ブレンド)が本命かもし
れません。


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