HOMEINDEXSCRAP BOOK


掲載日: 08.08.20.

NEW DURA ACE ハブとシステマハブの比較

システマハブが生産中止になってから既に1年以上経ちましたが、やっと復
活のめどがつきました。あれほどの人気がありながら生産を中止した原因は
コストアップとマシニング工場のキャパオーバーでしたが、昨今の不況で、
工場にも余裕が出来、コストも今まで通りで何とかなりそうです。とりあえ
ずフロントハブ/ナロウフランジから発売を開始する予定です。

さてそこで新しいライバル、NEW DURA-ACEと我がシステマハブを比較し
てみましょう。

◆重量(クイックシャフト無し)
sisutema new dura-ace
フロントハブ 80g 120g
リヤハブ 350g 320g

重量では1勝1敗の引き分けといったところでしょうか。

◆9S対応
これは8S、9Sで互換性があるので、どちらも同じ条件です。

◆フランジ幅
システマハブにはノーマルフランジ幅(スポーク穴の空いている刀の鍔のよ
うな形の部分の左右の幅)と、ナロウフランジ幅があり、700Cリムと
650Cリムに対応していますが、DURA-ACEはノーマルフランジ幅だけなの
で、650Cリムには不向きです。ちなみに今回生産か再開されるシステマハ
ブは 650C用のナロウフランジだけです。

◆スポーク穴
スポークが首で折れると、スポークが悪い、あるいは弱いと言われることが
多いのですが、実はスポークよりもハブにその原因があるケースが多いので
す。現在競技用で使われているスポークの多くは、首寸法(スポーク穴に
引っかかる7字型に曲がっている部分)が普通より少し短くしてあります。
何故かというと、スポーク穴とスポークに余裕、遊びがあると、スポークに
テンションがかかった状態で、7字型に曲がった部分にストレスが集中し、
それが原因で折れるのですが、窮屈にしておくと、7字型に曲がった部分に
ストレスが集中する事が少なくなり、折れる確率も下がるというわけです。
窮屈という抽象的な表現では何が違うのかわからないと思います。それには
フランジの厚みと穴径が重要なファクターとなります。フランジは分厚いほ
ど、そして穴径は小さいほど窮屈になります。そしてまた穴の角の面取りの
仕方も考慮しておかなければならないのです。

全スポーク中、最も大きなストレスがかかるのは後車輪のフリー側のスポー
クです。最も張力が高く、そして最も大きな外力(駆動力)が加わります。
その駆動力はハブの回転方向を向いた接線に近いスポークに加わるので、こ
の部分を中心に考えれば良いと思われます。

今までのDURA-ACEハブ(FH-7403)は前後左右、同じ厚み、約3.15mmで
したが、NEW DURA-ACEでは後ハブの右フランジを3.54mmに変更してい
ます。同じ後ハブの左フランジは3.17mm、前ハブは3.15mmなってお
り、かなりの差があります。

自慢ではありませんが、システマハブは当初から3.5mmを採用しており、
DURA-ACEより進んだ設計思想を持っていたと自負しています。システマ
ハブでは前ハブ、後ハブの左フランジも3.5mmにしていますが、これは使
用中の緩みを防ぐ意味もあります。初期振れ(使いだしてすぐに振れる)を
少なくし、メンテナンスを容易にする意味でもあります。

穴径はどうでしょうか。NEW DURA-ACEの穴径は従来品と同じ、2.4mm
で変化はありません。一方システマは2.6mmとDURA-ACEより大きな穴に
なっているのですが、面取りがDURA-ACEより小さいので、結果的には同
じ位の窮屈さになっていると思われます。

実はこのあたりの話はJTBCの井上師匠(師匠といわれる筋合いはないと怒
られそうですが)の十八番なので、ちょっと書き辛いし、不安なのですが、
出来の悪い弟子のためにきっと何か書いてくださるだろうと期待しておりま
す。

◆新素材
外観からはわかりませんが、システマハブのシャフトはカーボン製です。世
界で初めてハブシャフトにカーボンシャフトを使いましたが、その効果は絶
大です。特にストレスがかかった状態での回転性能には目を見張るものがあ
ります。TREKのロルフ・ディートリッヒ(KIJAFAオリジナルホイルと同
じシステムで話題のROLFのホイルを作っている人)がテストして荷重時の
回転性能の高さには目を見張る物があると賞賛してくれました。一方の
NEW DURA-ACEは前ハブのシャフトにアルミを採用したり、後ハブのカ
セットボディーにチタンを採用したり、旧モデルとは比較にならないほど大
胆な仕様になっています。またラジアル組み対応としてフランジ径を大きく
するなど、新しい使われ方への対応もしています。

◆総合評価
現時点で、NEW DURA-ACEハブは世界最高の技術水準を誇っており、他に
並ぶ物はありません。アメリカ製や、ヨーロッパ製のハブの多くはシマノの
足元にも及ばないレベルです。とくにホイルメーカー(ZIPP/CORIMAな
ど)のハブは比較の対象にすらなりません。システマの後ハブがシマノのカ
セットボディを採用しているのは、その部分ではシマノを凌駕することは不
可能と判断したからです。前ハブなら何とか互して戦えると思っています。


BACK