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掲載日:98.6.13

シフティングの上手い下手


シフティング、つまり変速操作に上手い下手があることは皆さんご承知です
ね。私が自転車に乗り始めたころは、ディレイラーの性能が悪く、下手な人
には使えない代物でした。シフティングのタイミングに合わせて、足の力を
一瞬抜くのが難しいのです。大概の場合、シフティングは登りで一番重要な
役目を果たすので、負荷のかかった状態で上手く力を抜かなければなりませ
んでした。

シフトアップはレバーを引っ張ればよいので、多少無理な力が掛かっていて
も無理矢理変速することが可能でしたが、シフトダウンは変速機のバネ任せ
です。バネの力が弱いと、いつまでたってもチェーンの位置は同じです。古
いディレイラーほど性能が悪く、今とは比較にならないレベルでした。

ちょっと斜めから見ると、現在のディレイラーは性能がよすぎて、それが災
いするときもあります。シフティング時にチェーンの動きをよく見ると、
ディレイル(脱線)という通り、ギヤからギヤへ、移って行く様は、まさに
脱線です。この脱線した状態の時に、チェーンに強い力が加わるとどうなる
か、つまりスプロケットやチェンリグ(前ギヤ)に大きなストレス、ひん曲
げるような力が加わります。昔では考えもしなかった大きな力がチェーンや
スプロケットにかかるので、それぞれの部品の寿命もずいぶん短くなったよ
うに思います。

もともと踏み込んだ状態、チェーンに大きな張力がかかっていても変速する
ようになったのは、シマノがUGギヤを開発してからです。しかもHGへ進化
し、さらに無理なシフティングガ可能になりました。またデュアルコント
ロールレバー(STI)が出来てから、ダンシングしながらでも変速できる、
無茶苦茶な使い方が可能になったのです。これがチェーン受難の時代の幕開
けです。

リヤディレイラーはチェーンにテンション(張力)がかからない、下半分
(チェンステーより下)にあるので、直接に力を受けるわけではありません
が、フロントディレイラーは大きなテンションのかかったチェーンを無理矢
理にガイドプレートで押しつけて脱線させるのですから、相当の負荷がかか
ります。DURA-ACEのようにディレイラー本体の剛性が高く、しかもガイ
ドプレートの剛性も高い場合は、容易には変形しませんが、ULTEGRA、
105クラスだと、場合によっては新品でも簡単に変形してしまいます。

先日、あるお客様のチェーン(DA7700)が切れました。ロードレーサー
でチェーンが切れるのは珍しいので、バイクを調べてみますと、インナーギ
ヤに何かが鋭く食い込んだ形跡があります。きっとこれがチェーン切れの原
因だと思います。無理なシフティングがもたらした結果だろうと想像してい
ます。

新しい9Sチェーンは細くて軽いので、どこか弱々しく、切れても不思議で
はないように見えますが、引っ張りに対する強さでは旧型とほぼ同じ強さを
維持しているそうです。ここからは私感ですが、ねじれ強さに関しては薄い
分弱いのではないかと思います。それなりに無理がかからないようなシフ
ティング操作が要求されるのではないでしょうか。


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