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SCRAP BOOK
車輪が振れる
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ここ数週間の間に続けて3件も車輪の振れに関する情報や問題が発生しました。どのような状態だったのか、その3件について簡単に説明してからこの問題について考えようと思います。
私がはじめて体験したのは中学3年の時、今から30年以上も前のことですが、山陰地方へ自転車で旅行中、大山へ登りました。日本海側から登って、米子へ下るコースでしたが、米子へ下る道は新しい有料道路で、舗装が綺麗な真っ直ぐな道でスピードは出し放題でした。フルキャンピング仕様だった私のバイクは自転車の重さが17〜8kgくらい、荷物が15kg位はあったと思います。これでガンガン走っていますと、60km/h位のスピードに達したとき、急に車輪が振れ出し、危うくコースから飛び出してしまいそうになりました。30年以上たった今も憶えているくらいですから、余程恐かったのだと思います。 ナショナル自転車へ入社して数年後、奈良の明日香へレンタサイクルの調査に行ったとき、たまたま遊びに来ていた若いカップルが坂を下っていきました。結構スピードが出ていたのですが、先頭を走っていた女性の自転車が蛇行をはじめ、前のめりに転倒してしまいました。まさに目の前で自転車が人を傷つける瞬間を目撃してしまったのです。幸い膝と手を少し擦り剥いただけで事なきを得ましたが、この問題の大きさを肌で感じた瞬間でもありました。 次に記憶に残っているのは、ナショナル自転車からUシリーズという高級サイクリング車が発売されましたが、発売後まもなく下り坂で車輪が振れるというクレームが相次いで報告されたのです。当時、タンゲからNo.1というパイプが発売されたばかりで、そのパイプが薄すぎるからではないかという社内的な見解がまとめられました。私の頭にも車輪が共振するのはフレームが弱いときにおこるのだという認識が形成されました。 私が今のビジネスを始めてから数年経った頃、専門誌が私の記事を連載していた頃です。東京のあるユーザーから電話が入りました。伊豆のCSCで行われたデュアスロン大会に出場したが、下り坂で車輪が振れて恐くてどうしようもなく、途中で棄権してしまいました。何故でしょうか、という話でした。バイクはアマンダ、車輪はアラヤのスーパーエアロです。車輪のサイズは24インチでした。今まで私が知っている共振と違っていた点は、スピードが40Km/hくらいと今までの事例よりかなり遅い速度で発生したことです。その時、アマンダのフレーム剛性が低いからではないかと疑ってしまいましたが、今から思い返すと、自分の浅学を恥ずかしく思います。 チーム・アペックスの初代会長を務めた中西保さんは、若かりし頃、オートバイレースにライダーとして参加されていましたが、専属メカニックがいるわけでもなく、メカニックも自分でやらなければなりませんでした。その頃のお話しとして車輪の重量バランスは非常に大切で、特に排気量の小さなバイクでは命取りになる(良い成績は望めないという意味です)、だから自転車のホイルバランスを正しく調整すればかなりの効果があるはずだと、教えていただきました。 手直にある車輪の静的重量バランスをチェックし、バランスウエイトを付けて調整してから組立台の上で車輪を勢いよく回すと、その差は歴然でした。未調整の車輪はある振動数で大きく振れはじめ、調整済みの車輪は殆ど振れることはありませんでした。特にアラヤのスーパーエアロや、CORIMA、ZIPPは共振による振動が余りに激しく、組立台の上からバイクが落ちそうになります。ところがCAMPAGNOLO、MAVICなどのヨーロッパ製車輪は未調整でも殆ど振れませんでした。よく調べてみますとリムや車輪を設計する時点で、タイヤを装着した状態でバランスがとれるようになっていたのです。 つまり経験豊富なヨーロッパの車輪メーカーは知っていたことをアメリカや日本のメーカーは知らなかったという事になります。CORIMAはフランスのメーカーですが、他業種からの新規参入なので知らないのでしょう。キャファが輸入しているオーストラリアのVELOCITYも全く調整してありません。 ホイルバランスが共振の原因になるのは何故?という疑問が当然おこってきます。 物体にはそれぞれ固有の振動数があります。音叉というU字型の道具を思い起こしてください。叩くと一定の周波数の音を発生します。車輪を音叉に見立てると話がわかりやすくなります。車輪自体が持っている固有の振動数と、回転によって生じる振動数が等しいか、あるいはどちらかの正数倍に等しくなると、共振状態が発生するのではないでしょうか。(するのだ、ではなく)ホイルバランスが調整してある車輪の場合、回転によって発生する振動数が高く、常用速度内で問題が発生する事はほとんどありません。しかも発生しても振動のエネルギーが小さいため問題となることは希です。 しかし未調整の車輪では発生域が低く、特に小径車では常用速度でも車輪の回転数が高いため、共振しやすくなっていると思われます。またアンバランスが大きいほど、振動のエネルギーが大きくなり、蛇行などの原因となると考えられます。 上述の??さんのバイクはトレックのモノコック(旧型)なのでフレームは他に比較して非常に剛性が高いものです。また私が中学生の時、乗っていた自転車もブリヂストンサイクルのクロモリフレームでガチガチだったと思います。しかもヘッドパーツの部分ではベアリングを介して回転するような構造になっていますので、フレームの剛性はあまり関係ないのではないかと考えています。 フロントフォークは車輪を掴んでいるところなのでフレームとは違って直接的な因果関係を持っていると思われますが、今までの事例では共通性を見つけることは出来ません。事例に共通している点は車輪のバランスだけです。古い事例のホイルバランスを知ることは出来ませんが、かってのランドナーに使われていたアルミのリムは現在のような中空リムではなくソリッドで、継ぎは溶接のリムでしたから、リム単体のバランスとしては、エアバルブの穴のところが少し軽いことくらいです。当然、チューブのバルブ部分が重くなっていますので、15g〜20gはアンバランスになっていたと推測できます。 事例の登場するエアロホイルは以下のように分類されます。
車輪の振れ-2
<車輪の振れ>について大きな反響をいただいておりますが、今まで意識していなかったアルミのリムでテストをしてみたので報告しておきます。 当初、バランスウエイトを企画、発売したときに調査したのは、カーボンリムと、コンポジットホイル中心で、アルミリムではマビックのGP-4など外国製だけで、国産リムは調べなかったと記憶しています。昨日、久しぶりにアラヤのADX-4という褐色のエアロリム(山の低いおむすび型のリム)を組みましたが、前後それぞれ10gのウエイトを必要としました。 最近のZIPP、ニッセキなどと同じくらいのウエイトが必要だということです。調べたリムは26インチの24Hなので、サイズ、穴数が違う場合は、ウエイトの量も変わってくる可能性があります。 この問題に関して日本を代表する自転車の研究期間へ非公式にへ問い合わせてましたが、早速返事がまいりました。長文でしかも立場上通信に掲載することが出来ない内容が一部含まれていましたので、要約して伝えさせていただきます。
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