キャファ通信


<<<<キャファ通信>>>> VOL.1796 2003/12/08


◆INDEX
1,カーボン製品の耐用年数■迫田順
2,福岡国際マラソン観戦記■楠雅喜

★雑談/この道より、我を生かす道なし、この道を歩く

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########## カーボン製品の耐用年数 ##########
■迫田順<sakoda@msa.biglobe.ne.jp>

東京の迫田です。

以前横浜でフォームチェックをしていただいた時のお話で、「カーボン製品
(特にフレーム)の耐用年数は硬化剤の品質にもよるが、おおむね5〜6年、
いわゆる”フレームのヘタリ”がおきてくる。」とのことでしたが、最近は
やりのバックカーボンフレーム、カーボンフォーク、カーボンピラー等のカ
ーボン製品もやはり5〜6年で交換時期なのでしょうか?

#辻本から/
スチールもアルミもカーボンも新品の時が一番良くて、だんだん走らなくな
るのは自転車乗りに共通した見解だと思いますが、理系の人にいわせると、
弾性限度内の応力なら理論的に剛性(何を剛性というかが問題ですが)が低
くなる、いわゆる「へたり」は無いらしいのです。

断面積の大きな極太チューのアルミフレームは殆どしならないので「へた
り」はほとんどないのかも知れません。しかし適度にしなるフレームの場
合、大柄な人や力の強い人、回すより踏みまくる人(ダンシング、モガキな
ど)が使うと弾性限度をこえた応力が加わり、だんだんへたってくるのかも
しれません。

スチールにもアルミにもカーボンにも様々な種類があります。それぞれの特
性によっても耐用年数は変わりますし、フレームの構造や設計によってもか
なり違ってきます。食品に表示されている「賞味期限」やカードに刻字され
ている「good thru」のような明確な基準はありません。

ホイルの耐用年数も同じ考え方が適用できます。カーボンコンポジットホイ
ルも例外ではありません。HED H3は丈夫で長持ちするgoodなホイルです
が、レースでしか使わなくてもへたってきます。大橋康治さんのホイルは3
年以内に交換しています。彼の場合登坂時にダンシングを多用するせいかも
しれません。また177cmと大柄なことも原因の一つかも知れません。

スポーク数の少ないディープリムの場合はもっと寿命が短くなる可能性があ
ります。説明するまでもありませんが、前輪より後輪の方がはるかに消耗が
早いのは、駆動輪であるということと、登坂時の荷重が前輪よりはるかに大
きくなるからだと思います。

カーボンシートポストも設計が多種多様で新品時から大きな問題を抱えてい
る物が数多くて回っているので使わない方が無難かも知れません。また一部
にカーボンチューブを使用したハンドルステムも同様です。事故例も多く報
告されているので使用するべきではないと思います。

フォークは大きな力を受けるところなので注意が必要ですが、最近のカーボ
ンフォークはかなり品質が向上しています。問題は古いフォークです。開発
当初のカーボンフォークには問題を抱える物もあるので早めに交換すべきだ
と思います。最近の製品の中でもいたずらに軽く設計されている物の中には
カーボン製のステアリングコラムが折れてしまう物があります。外から見え
ない部分なので折れるまで気付かなかったケースが多いようです。

このほか、サドルのワイヤーベースはチタン、カーボン、アルミ等様々な軽
量素材が使われています。中には簡単に折れる物があります。信頼性の高い
品物を選んで使いたい物です。


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########### 福岡国際マラソン観戦記 ##########
■楠雅喜<kus110@yahoo.co.jp>

天気晴好なれど波高し

前日は17度まで上がった気温と打って変わって、ピシリと引き締まった冷
たい朝になった。風が強く長身選手にとっては不利なコンディションなが
ら、気温の低さが好記録の予感がする。

10時過ぎにスタートゴールとなる平和台陸上競技場に到着。まだ、選手は
いない。変わりに陸上自衛隊の車両、ボランティアを乗せる大型バスが100
台近く。スタッフの多さと慌しさに圧倒される。うろちょろして邪魔になっ
ては申し訳なく隣の大濠公園に行き10kmほど走る。(寒くて走っていない
と堪らない)

11時過ぎにもう一度スタート地点を覗いてみる。旗とスタートリストの応
援セットを受け取る。沿道の旗、コーンの準備も整い観客も集まってきた。
さすがにアテネ予選。すべてに規模の大きさを感じる。

一旦、家に戻って防寒用にグローブとウィンドブレーカーを着用してから第
1の観戦ポイントの地下鉄西新駅前(3km地点)に移動。選手が来る1分前
でもバスが人を停留所で降ろしている(!?)。直後、日常の風景を切り裂
くようにパトカー、広報車、続いて先頭集団が通過していく。涼しい顔をし
てキロ3分ペースで走り抜けていく。この地点で既に集団はバラけ、300m
後方を一般参加の選手が追いかけている。福岡国際の参加基準は2:27!い
かにハイレベルなのかを思い知る。

第2ポイントの荒江四角(14.5km)にランで移動。道路は渋滞。バイクで
は歩行者との接触が危ないのでランは正解だ。途中、北海道奥尻島から参加
している松田洋選手を追いかけ応援のおじさんに遭遇。あちらはレンタルサ
イクルを借りて28km地点まで足を伸ばすとの事。選手も応援もアスレチッ
クである。

選手が来るまで時間があったので荒江四角にある定食屋「あらえ十番」でラン
チ。いつも世話になっている店で夫婦二人で365日24時までやっている。煮
魚(地物の鯖)定食550円、お造り350円をはじめリーズナブルでも手抜き
をせず美味いものを出してくれるありがたい店である。注文したハンバーグ
定食が出てきたが、食べている間に選手が通過しそうで落ち着かない。

15kmは通過タイムを必ず放送するため、直前の14.5kmはいつもCMなのだ
とか。実況生中継ながら外が気になって仕方がない。堪らず外に移動し選手
を待つ。隣のカウンターで食事をしていたお客さんも一緒に出てきた。その
方は年代物のカメラを構え、マラソンの写真を撮ると正月までもう少しと感
じるのだそうだ。

選手通過。有力どころは余裕の顔。選手の腕はテレビでみると細いが、生で
見るとしっかり筋肉がついている。店に戻り、やや冷めたハンバーグをパク
ついて第3ポイントのゴールに移動するタイミングを見計らう。大濠公園ま
で3km x 7 分=21分、選手が残り7km x 3分=21分と予測し、35kmまで
TVで見てから店を飛び出す。ここで誤算があった。大濠公園からゴールま
では1km程度あったことを思い出し途中からペースを上げる。競技場に曲が
る最後の交差点で選手を捕らえる。3選手が次々になだれ込んでくるが、高
岡選手が3位???あの1位は誰だとの思いで一瞬立ち止まったが、急いで
競技場内に向かう。入口が判らず、ゲート横の石垣をよじ登ると1位の国近
選手が最終コーナーを抜けているところ。何とかゴールに間に合った。

2:30の関門まで応援を続けたが、競技場の観客は寒空にも関わらずゴール
する全選手を見届けるまで殆ど帰らない。IMハワイやツールドフランスは見
たことがないが、福岡には世界のビックレースに繋がる何かを秘めている気
がした。


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★雑談/この道より、我を生かす道なし、この道を歩く
私が自転車に興味を持つようになったのは、中学生時代に父が買ってくれた
一冊の本でした。(十九才・ニッポン日本一周自転車旅行・小林鉦明 大和
書房 1963発行)

父は自分が果たせなかった夢(自転車で旅をする)だったと私に話してくれ
ました。本を読んだ私は自転車に強い興味を持つようになり、無理を言って
当時としては非常に高価なブリヂストンのSS10を買ってもらいました。

途中で6年ほど中断しましたが、以来ずっと自転車とかかわってきました。
大学を卒業するとき、父に自転車業界に進むと言ったところ、「近い将来、
自転車は中国やインドで作ることになるんだから日本の業界は全部無くなる
ぞ」と渋い顔をしていました。実際その通りになり、父が私に望むような高
給取りにはなれませんでした。

武者小路実篤の言葉に「この道より、我を生かす道なし、この道を歩く」と
ありますが、業界の将来性より自分の好きなことをやるしかないと思ってい
ました。今も思いは変わりません。

1963年からとするとすでに40年も経ちましたが、いまだにわからないこと
ばかりで、自転車の奥の深さを今更ながらに感じる日々です。

先週の金曜日、父が死去しましたが、病院のベッドに横たわる父の顔を見
て、自転車の修理の仕方や工具の使い方を教えてもらった懐かしい日々を思
い出していました。

ここ数日、親として子供に夢をあたえられるのかと自問しております。



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